N's factory — Leather Care
N's factory の作品は、コバ(革の断面)をあえて未処理でお渡ししています。 コバ材が革のシミになるのを避けるため、そしてオイルを入れ、コバを磨く仕上げを、 お使いになる方の手に委ねたいからです。 このページでは、はじめの一本に選びたいオイルと、コバを磨く道具をまとめました。
Why oil
ヌメ革はタンニン(植物の渋)でなめした革です。表面を樹脂で覆っていないので、 光と手の脂を受けて色が深まり、艶が生まれます。いわゆる「経年変化」です。
その一方で、革の中の油分は使ううちに少しずつ抜けていきます。乾いたまま使い続けると、 折り目からひび割れたり、傷が入りやすくなります。 オイルは、抜けた油分を補うためのもの。塗るほど良くなるものではなく、 足りない分だけ、薄くが原則です。
コバ(革の断面)も同じです。コバ材で固めてしまえば早いのですが、 材が革の表面に回るとシミになります。だから当工房では未処理のままお渡しし、 指の腹や帆布で磨いて締めていく仕上げをおすすめしています。
Quick guide
| 種類 | どんなもの | 色の変化 | 向いている場面 | はじめての方 |
|---|---|---|---|---|
| ニートフットオイル | 牛の脚から採る油。ヌメ革用として最も古くからある定番 | 濃く、飴色に進む | しっかり育てたい/色を深めたい | ◎ 王道 |
| 蜜蝋(みつろう)ワックス | 蜜蝋と油を練ったクリーム。薄い保護膜になる | 少し濃くなる | 艶を出したい/仕上げに | ◎ 塗りやすい |
| ラナパー | 蜜蝋+ホホバ油。伸びがよくムラになりにくい | ほとんど変えない | 失敗したくない/色を変えたくない | ◎ 安心 |
| ミンクオイル | 油分が多く、しっとり仕上がる。撥水性も出る | かなり濃くなる | 乾燥が強い冬/使い込んだ革に | ○ 量に注意 |
| デリケートクリーム | 水分主体で軽い。栄養補給と汚れ落としに | ほとんど変えない | まだ新しい革/薄い色の革 | ○ 併用向き |
迷ったら、ニートフットオイルか蜜蝋ワックスを1つ。 色を変えたくない作品にはラナパーを選んでください。
Choose your oil
牛の脚から採れる動物性油。ヌメ革との相性がよく、しっかり染み込みます。 塗った直後は濃く見えますが、数日かけて馴染み、使うほど飴色に育ちます。 液体タイプなので、布に少量取ってから塗り広げてください。直接垂らすとシミになります。
蜜蝋と油を練り合わせたクリーム。革の表面に薄い膜をつくり、艶と軽い撥水性を与えます。 固形に近いので伸ばしやすく、塗りすぎにくいのが利点。 オイルで油分を入れたあとの仕上げとしても使えます。
蜜蝋とホホバ油が主成分。伸びがよく、ムラになりにくいため、 はじめてお手入れをする方に向きます。色をほとんど変えないので、 淡い色のヌメ革やナチュラルのまま楽しみたい作品にも使えます。 少量サイズがあるので、試すところから始められます。
油分が多く、しっとりと柔らかく仕上がります。撥水性も上がるため、冬場や外で使う革小物に向きます。 ただし入れすぎるとベタつき、色もかなり濃くなります。 新品のうちから使うより、しばらく使って乾きが気になってきたときに。
水分を主体とした軽いクリーム。油分を足すというより、乾きを和らげるもので、 色の変化はほとんどありません。まだ新しい革や、薄い色の革のお手入れに。 オイルと併用し、季節で使い分ける方も多い一本です。
How to
頻度は月に1回程度が目安です。使い始めの数か月は油分が抜けやすいので、 2〜3週間おきでも構いません。触ってしっとりしているうちは、まだ必要ありません。
Edge finishing
コバは、水か仕上げ剤を少しつけて、こすって繊維を寝かせると締まって艶が出ます。 道具がなくても指の腹で磨けますが、帆布やスリッカーがあると仕上がりが安定します。
コバと床面(革の裏側)を整える定番の仕上げ剤。無色を選べば革の色を変えません。 少量をコバに指で塗り、乾ききる前に帆布などでこすります。
溝にコバを当てて往復させ、角を丸く整えながら磨く木製・樹脂製の道具。 厚みのあるコバをきれいに仕上げたいときに効きます。
目の詰まった厚手の布。これ一枚あればコバ磨きは始められます。 摩擦で熱を持たせるように、テンポよくこするのがコツです。